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買収戦略の注意点

目的を見失う

 M&Aは“最強の戦略オプション”である反面、危険性も孕んでいます。時間の制約が強く、短期間に多くの意思決定を強いられるため、予め方針を明確化しなければ、売り手の思うがままになってしまう危険性を秘めているのです。

企業(事業)買収の際に注意すべき点は以下の通りです。

  • “何を何のために”買うか
     M&Aを利用して“何を何のために”買うのかが明確でないと買収で成功を得ることは困難です。特にM&Aの経験が少ない企業では、買収に携わるメンバー間でM&Aのゴールが明確になっていないことが殆どです。このため、メンバーはM&Aを“手段”と捉えるのではなく、案件を是が非でも成立させることがM&Aのゴールだと思い込んでしまうのです。
  • 売り手をどう探すか
     売り手を単独で探す場合、情報が限定されてしまうため、買い手、売り手のニーズが蓄積された外部専門機関の情報を利用することが一般的です。但し、外部専門機関に頼り切って、持ち込み案件を対象とするのは危険です。なぜなら、売り手は、案件を有利に成立させることを目的としているため、彼らの提示した条件・スケジュールによって交渉が行われ、短時間で意思決定を迫られることがあるからです。
  • “いくら”で買うべきか
     M&Aの失敗の主な原因の一つは、対象企業(事業)を本来の価値よりも高く買ってしまうことです。高く買わないために、買収後の価値創造(バリューアップ)を見込んだ買収価値を買収前に出来る限り精緻に算定する必要があります。算定した買収価値と実際の買収価格の差が、買収の利益(効果)となるのです。

 M&Aの罠に陥らないためには、方針の明確化は勿論のこと、他の選択肢についても最後まで模索することが求められます。「より買収効果の高い候補はないか」、「M&A以外の選択肢によって目的を達成できないか」と問い続けることが重要なのです。

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