

A1.M&Aは、企業のビジョンと現状のギャップを短期間で埋めるための“最強の戦略オプション”の一つですが、その多くが失敗に終わっています。成功の「秘訣」というようなものはありませんが、陥りがちな失敗の事例とその原因を知ること(下記参照)や、経験豊かなM&Aプロフェッショナルのサポートを受けることなどが、成功への近道となります。
M&Aは、そもそも戦略やビジョンを実現するための“手段”に過ぎません。それにも関わらず、ディールの成立が“目的”化してしまいます。これにより、買収価格が高騰したり、買い手にとって不利な条件を呑んでしまったりといったことが発生します。目的を見失う理由は、以下のようなものが挙げられます。
売り手やアドバイザーなどの影響や投資判断の時間的な制約により、シナジーを過剰に見積もってしまうケースが数多く見られます。このため、投資判断時には、シナジー効果が得られるか否かの正確な見極めが必要です。
時間的な制約が強いM&Aの特徴として、買収対象に内在するリスクを見落とす可能性があります。このため、買収後にリスクが顕在化し、結果的に高い買いものをする羽目になります。買収に伴うリスクには以下のようなものがあります。
M&Aは一般的に、売り手有利に交渉が進められます。この理由として、需給要因と構造的要因の2つが挙げられます。
M&A実行までを無事に終えたとしても、統合スキームによっては、企業価値の大きく毀損する可能性があります。
A2.買収価値の構造を理解し、M&Aの効果が最大化するように買収価格を設定する必要があります。買収価格設定の具体的なポイントは以下のとおりです。
M&Aの利益は、買収価値(買収によって得られる価値)から買収価格を差し引いたものです。買収価格が買収価値を超えるとM&Aの利益はマイナスになり、M&Aで損をすることになるのです。M&Aの利益の算定式は以下のとおりです。
買収価値は、買収対象の現状価値(本質価値)に、買収によるシナジー効果(M&A後の価値創造)を加算したものです。バリュエーションによって、現状価値、買収によるシナジー効果を大胆かつ精緻に算定することが、M&Aの効果を最大化する鍵です。 買収価値の算定式は以下のとおりです。
| ※買収によるシナジー効果 = | 財務・税務戦略 + 事業の統廃合 - 成長のための梃入れ投資 + 業務効率化 + 成長戦略 + Exit(売却)戦略 |
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A3.高収益企業を目指すには、不採算事業の整理を実施しなければならず、大きな痛みを伴います。このため、利害関係者にとって納得性が高く、合意が得られるような手法で、事業の整理を進めていかなければなりません。具体的な事業の整理は、以下の3つのステップを踏んで実施します。
整理対象事業を評価するための基準を設定します。主な評価基準は、以下のとおりです。
ステップ1にて確定した評価基準にしたがって、整理対象事業を評価します。評価を進める際のポイントは以下のとおりです。
整理対象事業が確定したら、事業の清算か、売却かを選択し、実行に移します。一般的に売却価値の方が清算価値よりも高いことが多いため、売却候補が存在するならば、売却を検討するべきです。また、売却の場合は、買い手が事業を継続することにより、従業員や取引先への影響を極力抑えられます。